アリババが優酷土豆(Youku)に出資-(島田雄貴、2014年5月)

中国電子商取引(eコマース)最大手のアリババ集団が、中国最大の動画配信・ダウンロードサイト「優酷土豆(Youku)」に出資しました。ジャーナリスト・島田雄貴が最前線をリポートします。

動画配信サイト最大手に出資

アリババと投資ファンド雲鋒基金の出資

動画配信サイトの「優酷土豆(Youku)」は4月28日、アリババと投資ファンド雲鋒基金の出資を受け入れると発表した。出資金は合計12億2,000万ドルで、出資比率はアリババ16.5%、雲鋒基金2%となる。雲鋒基金はアリババの創業者である馬雲氏が2010年に設立したファンドで、アリババの出資・買収に同調している。

優酷網と土豆網が合併

Youkuは2006年12月に設立された中国最大の動画配信ダウンロードサイトで、ニューヨーク証券取引所に上場している。もともとは「優酷網」という社名だったが、2012年8月に同業の「土豆網」を吸収合併し、優酷土豆に改めた。

動画サイトの利用者は7億人

市場調査機関の易観国際(EnfoDesk)の発表によると、2014年2月の動画サイト利用者数はパソコンとスマートフォンでそれぞれ4億9,563万人、2億4,292万人に達した。そのうち、Youkuの視聴者は合計2億3,394万人で、パソコンとスマートフォンでいずれもシェアトップだった。このように先行しているYoukuだが、同業他社との競争は激しくなっている。

映像コンテンツ

アリババは、過去2ヵ月余りの間に計4社の娯楽・文化企業に対して出資・買収を行った。アリババ集団は一連の出資・買収によって、映像コンテンツの制作から動画配信サイト、インターネットテレビなどの配信チャンネルまでを確保し、急速な成長が見込まれるデジタルエンターテインメント市場への進出を本格化させている。

騰訊(テンセント)
百度、捜狐(SOHU)

ソーシャルメディア大手の「騰訊(テンセント)」をはじめ、中国最大のポータルウェブサイト「百度」(傘下に愛奇芸PPS)や、ナスダック上場の中国大手ポータルウェブサイト「捜狐(SOHU)」など、競合するのはいずれも業界の大手企業だ。各社は多額の資金を投入し、人気のある米国や韓国のテレビドラマや映画を続々と提供しているため、若者層からの支持が急速に拡大している。競合他社と比べて資金力で劣るYoukuがアリババグループに加入する理由はここにあるとみられる。
アリババはYoukuと資本提携を含む戦略的なパートナーシップ協定や第三者割当増資、優先出資などの補足契約も締結している。

テレビドラマや映画
通販「淘宝(タオバオ)」「天猫(Tモール)」

アリババがYoukuと連携する背景の1つは、通信販売の利用者の囲い込みだ。テレビドラマや映画で使用された衣装やバッグ、アクセサリーなどを、アリババのショッピングサイト「淘宝(タオバオ)」「天猫(Tモール)」で購入することを期待しているからだ。

映画やテレビ番組の制作会社「文化中国伝播集団」
ビデオ通話アプリ「TangoMe(タンゴミー)」

もう1つの狙いは娯楽・文化事業への進出だ。アリババは3月、傘下の投資会社を通じ、映画やテレビ番組の制作会社「文化中国伝播集団」の株式約60%を62億4,400万香港ドル(約811億7,200万円、1香港ドル=約13円)で取得するほか、ビデオ通話アプリを提供する米国の「TangoMe(タンゴミー)」に2億1,500万ドル出資すると発表した。

インターネットテレビ会社「華数伝媒」にも出資

4月上旬、馬雲氏が出資する投資会社はインターネットテレビ会社「華数伝媒」の株式20%を65億3,610万元(約1,045億7,760万円、1元=約16円)で取得すると発表した。アリババの直接出資ではないが、買収資金はアリババ傘下の子会社から全額借り入れるため、アリババの意向に沿った投資とみられる。華数伝媒は早速、アリババと動画やゲーム、音楽などのコンテンツ配信で協力することで合意した。

配信チャンネル

アリババは2013年9月、新たにデジタルエンターテインメント事業部を立ち上げた。今回の一連の投資によって、映像コンテンツの制作から配信ウェブサイト、インターネットテレビなどの配信チャンネルまでを確保したことになる。

イー・アクセスとソフトバンクが「スマホ」競争へ-(島田雄貴、2011年11月)

島田雄貴のスマホニュース速報です。2011年11月--総務省が来年新たに割り当てる電波の周波数帯をめぐり、携帯電話4社の争奪戦が激しくなっている。動画の閲覧やアプリ(応用ソフト)の取り込みがたやすいスマートフォン(多機能携帯電話)の普及でデータ通信量が飛躍的に増えており、新しい電波を獲得して回線に余裕をもたせ競争を優位に進める狙いからだ。

携帯周波数「プラチナバンド」で一騎打ち

新たに割り当てられるのは900メガヘルツ帯(2012年2月に1社を選定)と700メガヘルツ帯(2012年後半に2社を選定予定)。ビルなどの障害物を回り込んで届くため、「プラチナバンド」とも呼ばれる。900メガ帯の選考基準作りは大詰めで、2011年11月21日まで基準案への意見を公募している。選考は現在使える周波数も考慮されるため、この帯域の電波をもたないソフトバンクモバイルとイー・アクセスの事実上の一騎打ちとみられている。

ソフトバンクは行政訴訟も辞さない姿勢
米アップルのiPhone(アイフォーン)人気

ソフトバンクは米アップルのiPhone(アイフォーン)人気で契約者数を急増させたが、契約者からは「つながらない」という不満が強く、その解消策としても新周波数が不可欠としている。

ソフトバンク側は、今までつながりにくかったのは使える電波がビルの陰などに届きにくい2ギガヘルツ帯などに限られ、NTTドコモやKDDIより不利だったためなどと釈明。孫正義社長ら幹部は周波数あたりの利用者数を引き合いに自社への割り当てを主張、選ばれなかった場合には行政訴訟も辞さない姿勢だ。宮川潤一専務執行役員は「来年新しい電波をもらわないと会社が倒れる」と話す。

イー・アクセス千本倖生会長は反論

対するイー・アクセスの千本倖生会長は、ソフトバンクに真っ向から反論。「持っているほかの周波数帯を整備すればいい。我々のような新興企業にチャンスを与えることが市場を活性化させる」と引かない。

ドコモの山田隆持社長

900メガヘルツ帯の獲得の行方は、携帯電話業界の勢力図を大きく変える可能性も秘める。それだけにドコモとKDDIも当然ながら割り当てを希望。ただ両社とも800メガヘルツ帯を持っているため、「700メガと900メガヘルツのいずれかをぜひ」(ドコモの山田隆持社長)と控えめだ。

総務省は選考条件に、周波数再編にかかる費用として1200億円以上(上限2100億円)を払えることに加え、高速通信規格「LTE」への対応や現在使っている周波数の混雑度合いなどをあげている。(長崎潤一郎)

テレビ局が地上アナログ放送に使用

山やビルなどの障害物を回り込む特性があって様々な用途に使い勝手がよいとされる700メガ~900メガヘルツ帯の電波。700メガヘルツ帯は、テレビ局が地上アナログ放送に使っていたが地上デジタル放送移行に伴って空きが生じ、900メガヘルツ帯はこれまでタクシー無線などに使われてきた。携帯電話事業者ではNTTドコモとKDDI(au)が800メガヘルツ帯を使っている。

イー・アクセスが、ソフトバンクと共同で次世代無線の実験(島田雄貴、2007年6月)

島田雄貴の通信メルマガ。今回は、イー・アクセスとソフトバンクの「次世代無線通信」のニュースです。ソフトバンクとADSL(非対称デジタル加入者線)大手イー・アクセスは2007年6月21日、光ファイバーなどと同等の通信速度でブロードバンド(高速大容量通信)ができる「次世代無線通信」事業への参入を目指し、共同で事業化調査を始めると発表しました。

次世代無線は、事業化調査は、米インテルが開発を主導し、光ファイバー回線の通信速度に近い毎秒75メガ・ビット(メガは100万)の高速無線通信が可能な「WiMAX(ワイマックス)」を使う。自動車や電車などで移動中でも映画やドラマといった高画質の動画をスムーズに送受信できるかどうか、実験する方針だ。

総務省は次世代無線通信の免許申請を2007年7月に受け付け、2007年9月にも最大2事業者に割り当てる方針だ。

WiMAX(ワイマックス)

ソフトバンクとイー・アクセスが共同で事業化調査に乗り出すのは、総務省が2007年5月、次世代無線通信WiMAX(ワイマックス)の免許割り当てについて、NTTドコモなど既存の携帯電話5社とそのグループ企業には単独で免許を与えず、参画するには、参入会社への出資比率を3分の1以下に抑えなければならないことを決めたからだ。

この日、ADSL大手のアッカ・ネットワークスも次世代無線通信への参入に向けた子会社を2007年7月上旬に設立すると発表した。